CDジャケットデザインにおける文字の入れ方
前回CDジャケットの写真について書きましたが、今回は文字の入れ方について書いていこうと思います。
ジャケットをデザインする上での文字の役割として「アーティスト名を分からせる」「アルバムタイトルを伝える」という事はもちろんですが、「ジャケットのイメージを担う重要なデザイン要素」でもあります。
かなり凝ったイラストや写真などを使用しているのになぜか文字だけ雰囲気にマッチしていないというデザインも時折見かけますので、文字の入れ方について少しでも参考に頂ければと思います。
その「書体」「色」「バランス」デザインにあってる?
まず大きく分けて書体は明朝体とゴシック体があります。外国では明朝体を「セリフ体」、ゴシック体を「サンセリフ体」といいますが、それぞれの書体が与える印象は大きく異なります。明朝体は一般的に大人っぽさや上品さなどを与えるのに効果的です。ゴシック体は視認性に優れ、存在感があり目立つ書体です。これらは基本的な形で、そこから派生した数限りない書体が世の中には存在します。
そしてジャケットのデザインにあった色を選び、それらを効果的に見せるバランスに配置します。これらの「書体」「色」「バランス」を適切に入れる事でジャケットのクオリティがグッと上がります。
極端なダメな例として以下のようなものを作ってみました。試しに「TANAKA TARO」というアーティスト名の「EXTREME」というアルバムタイトルです。
うーん、意味分からないですよね(笑)。こんなCDじゃ買おうとはあまり思いませんよね。ではいったい何がダメなのでしょう。
デザインに必然性がない
どんな音楽かも分からないし何を伝えたいのかも分からないのは、文字を入れる上で特に意図を持って作っていないからです。適当に決めた書体や色、バランスでは見る人に何も伝わりません。
作品がロック系ならばそのイメージを伝えるための書体や色使い、そして文字のバランスなどを考えないとなりませんしクラシックのアルバムならばそれにあったイメージを書体にも投影させねばなりません。適当に決めた書体や色、バランスでは良いデザインにはなりません。
文字の入れ方で様々なジャンルのCDになり得る
同じ写真を使用して色々なジャンルのCDっぽくしてみました。基本的に「書体」「色」「バランス」のみで分かりやすく作成しました。
ロックっぽく